東京大学の英語は非常に良質な問題で構成されている。
東大を受験しない人も東大の要約、英作、文法、読解を解くことで実力を高めることができる。
東大は理系、文系ともに英語の配点は120点あり、英語が非常に重要なパートになっている。
なぜなら、国語で高得点を取るのは難しく、地歴もそれぞれ60点満点で40点以上取るのは至難の業だからである。
数学もかなり得意でないと高得点は難しい。となると、最も努力が反映されるのは英語となる。(しかし実際に合否に直結するのは数学の出来と言える。)
最大の特徴は、基礎の組み合わせからくる難しさと、英語を使って現代文の力も試してくるところにある。
どのパートもそれなりに難しいが、準備していけば得点が期待できる個所がいくつかある。
それは、要約、英作、リスニングである。その一方で、文法の正誤問題は多くの人にとって難関であり、英文整序問題も少し難しめではある。読解は小説を使って主人公の心理状態を読ませるものが多いが、ここは概して設問の難度が高い。
まずは要約から見ていきたい。
要約問題は、20年以上前と比べると長文化してるが、やはり解きやすい部類である。このパートは、対比、類比、因果の3つのいずれかを意識した文の組み立てになっている。
40語で書くなら、いきなり主部と述部で結論をまとめ、80語以上なら、具体例も織り交ぜて解答すべきである。
英作文は、和文英訳、自由英作と2種類出されるが、ある程度練習しておけば高得点を期待できる。和文英訳はごく普通のものであり、自由英作はメールの続きを書かせるものや、絵を見て説明させるものなど、自分の得意な表現に逃げ込むことができる。
この英作のパートは、短文暗記が効果的だ。駿台から出ている伊藤和夫の700選を使うと簡単に解決する。事前準備でなんとかなるパートである。
次にリスニングだが、リスニングもスピードは英検1級やTOEICよりもゆっくりで解きやすい。
解答根拠にかかわるところだけ緩急つけてしっかり聞けば普通に解けるものばかりである。リスニングは共通テストでも出されるので、毎日最低20分は聴くことが重要である。
Z会の速読英単語やDUOの別売りCD、そして慣れてきたらジャパンタイムズの社説集など、とにかく毎日聴くことが大切である。
文法・語法のパートは不要な語を削除させるものや、間違いのある個所を指摘するものだが、こちらはかなり得意な生徒でも苦手にしている。
熟語表現の知識、分詞構文と動名詞を見分けさせるもの、接続詞と前置詞の違いを試すものなど、かなり高度なものが多く、一朝一夕にこのパートで高得点を狙えるものでもない。
ここが苦手ならリスニングと英作で稼ぐ方が確実である。
最後に読解だが、このパートも要約と同じく20年前と比較してだいぶ長文化している。しかし設問が仕掛けられている個所の難易度はほぼ同じで、処理速度が求められるようになった。
内容は小説で、主人公の心理を読むものや、文法を試すものなど、様々なものが用意されている。そして、英語とともに現代文の力まで試してきているのが窺える。
設問の最大の特徴は、選択肢をなんとなく選ぶと間違えるように作られていること。選ぶときは、しっかりと解答根拠があるものを選ばないとひっかかる。
東大の問題は、長文の内容よりも設問の仕掛け方が凄く、問題作成者の腕が他大とは違うのがわかる瞬間である。
難しいパートでの失点を考慮すると、最低でも80点。できれば90点はとりたい科目である。