Z会から出されている速読英単語とリンガメタリカ。Z会の書籍は駿台や河合と並んで非常に質の高いものが多い。
速読英単語は受験業界でも大ヒットした本で、最近では中学版、入門編、必修編、上級編、さらには速読速聴とバリエーションが増えた。
自分のころは必修編と上級編だけだったが、高校1年から必修編とDUOを電車の中で読んでいた(これが受験学年になったときにかなり助かった)。
学校の授業だけではどうしても語彙不足になるので、サプリのように語彙を補う必要がある。
なぜ語彙が大事なのだろうか。
高校受験を例にとってみたい。中学で学ぶ英単語は一般に1000語と言われている。
早稲田大学高等学院の英語は、1500語以上知っている必要がある。
では大学受験ではどうかというと、早慶でおよそ7000語は要求される。英検でいえば準1級といったところ。中学を卒業した時点で1500語知ってたとしても、そこから早慶に入ることを考えると、高校3年間で新しく5500語を覚えなければならない。
三年間で割ると、一年あたり1800語。1か月に150語である。
大学受験の英語は「語彙との闘い」である。早慶でなくても、有名難関私大では新しく4000語は覚える必要があると考えるべきである。
では、どうすれば覚えられるか。
「対訳本」のなかでストーリーに絡ませて覚えるのである。それに最も適しているのが、速読英単語とリンガメタリカだ。
速読英単語必修編はとっつきやすい日常的な話題が多い。
・ビタミンCの働き
・子どもへの読み聞かせのすすめ
・ネコの習性
・アレルギーが増加する背景
・テレビゲームの影響力
・読書の重要性
・インターネット情報の真偽
などなど。
最近の速読英単語では、英文の出題校の名前は出さなくなったが、自分の頃は必修編が主に短大からとられており、上級編が早慶からだった。
今度はリンガメタリカの中身について見ていきたい。
内容はもっと専門的になり、英検準1級、もしくは英検1級の二次面接のネタで使えそうなものになってくる。
・グローバル化とは何か?
・経済学の役割
・企業倫理とマックスウェーバー
・若者と老人の階級闘争
・温暖化対策―京都議定書
・幹細胞
・レイチェル・カーソン
・カオス理論
・人工知能
・幻肢・幻肢痛
などなど。
小論文対策のネタを仕入れるのにも使える。
内容的にかなり専門的で、英語が得意な高校生に向いてる。
リンガメタリカは速読英単語の上級編より難しい。
難易度を示すと、
速読英単語入門編 / DUOセレクト
★☆☆☆☆
速読英単語必修編 / DUO3.0
★★☆☆☆
速読英単語上級編 / 鉄壁
★★★☆☆
リンガメタリカ / パス単準1級 / ジャパンタイムズ社説集
★★★★☆
(大学受験で求められるのは通常はここまで)
これより下は海外留学する人向け。
パス単1級 / 1100words you need to know / Basic Word List
★★★★★
星一つの違いだが、速読英単語の必修編と上級編のところに大きな壁がある。
いかにして上級編レベルまでもっていくか、日々の隙間時間で語彙力増強を心掛けるべきである。
ちなみに、リンガメタリカに関しては実際には生徒はやらなくても早慶に合格してるので、難関大を目指すなら上級編までやればOKといえる。
高校英語の一つの山場は語彙であり、ストーリーに絡ませながら覚えることが最も効果的だ。