級別の合格率が謎に包まれている英検。合格を目指す上で、戦略を練らないといけませんが、今回は過去のデータをもとに英検の難易度を見ていきましょう。
90年代前半の英検1級の合格率は実は3%前後でした。
90年代後半になると5%前後になります。
そして、2000年代になると7%前後になります。
英検1級は2003年の途中までは日本語による要約問題が出されていましたが、途中から要約がなくなり、英語だけ得意で日本語が苦手な帰国子女でも受験できるようになったため、合格率が上昇しています(易しくなってるわけではありません)。
2013年度第2回の英検の級別受験状況は、
1級 志願者8,236人 合格者875人 合格率10.6%
準1級 志願者20,423人 合格者2,921人 合格率14.3%
2級 志願者86,357人 合格者22,344人 合格率25.9%
準2級 志願者161,719人 合格者56,956人 合格率35.2%
かつて公表されていましたが、
1級の二次面接の通過率は6割、準1級の二次の通過率は9割ほどです。
自分が合格した2006年の英検1級の年間での合格者数は、大体2000人ちょっとです。大昔は1000人未満でした。
そして、2006年頃の学生別合格者数ですが、
全国の大学生で300人ほど、短大生で1人、高校生で90人、中学生で50人、小学生で10人くらいです。
都道府県別の合格者数も発表されていましたが、やはりダントツで多いのが東京。その次が大阪か神奈川でした。
少ない県だと年間を通して一人か二人といった状況です。
現在の2024年の英検1級の合格者数は少しずつ増えてきている感じはありますが、大学受験に向けて英検1級を取得するのはかなり難しいことが分かります。現実的には準1級を取得するのが一番理想的な道です。
ちなみに、インターナショナルスクールに通う生徒を教えたこともありますが、小学校6年生たちは、概ね英検2級は合格しますが、準1級になると苦戦しています。準1級では政経の話も出てきますが、小学校の段階で、関税、安楽死、起訴する、三権分立など、これらを英語で表現するのはかなり厳しいものがあると思います。ただし、小4で英検1級に合格した子はいるようです。
そして、高校受験に強いSAPIX中学部ですが、国際部の人の話によりますと、SAPIXの各校舎ぜんぶ合わせて英検1級を持っている中学生は多い年で4人、少ない年で1人とのことでした。基本的にみな帰国子女です。
英検1級は確かに大学受験で加点されますが、取得する大変さと加点の比率を考えると、少し割に合わない気もします。
それでも、もし中学の段階、あるいは高1で準1級を取得するくらい英語が得意なら、高校で1級を目指すのもありだと思います。
準1級と1級に間には大きな壁がありますが、1級は本当に英語が得意なら高校生のうちに目指す価値はあります。語彙力が大幅に強化されますので、慶應大学法学部などを受験するときにはかなりの強みになります。
大学受験で英検1級の加点を狙いにいくというより、あくまで英検1級を利用して、自分の英語力を高めるといった使い方が適しています。