大学名や生徒の名前は伏せて、過去に成功したパターンを紹介したいと思います。個別指導の英語塾だからこそできる技といえます(集団だと厳しいです)。
今回は、浪人の夏前は英語の偏差値が50前後だったのが、秋には65に急上昇し、国立の二次では英作文で点数を稼いで合格した例です。
地方の国立医学部では、共通テストさえ乗り切れば、二次は英語と数学と面接のところが多く、英語で点数を稼げば、数学一問分の余裕が生まれます。
今回は、その必勝パターンを紹介したいと思います。
まず、英語の偏差値が50前後というのは、文法の基礎が疎かになっているものです。
英語のルールがよくわからないことで、英作が書けなかったり、読解で誤読して和訳で点数が引かれているような状態です。
処方箋としては、
1.文法の教材をまず一冊やりとげる
2.文法はその1冊だけを繰り返しやる
3.文法の基礎ができたら、読解のウェイトを高める
4.秋以降は読解と英作の2つを中心に鍛える
この4ステップでかなり力がつきます。
特に大事なのは、半年しか時間がないため、文法の教材は1冊だけにして、何冊も手を出さないことです。準動詞とは何か、分詞構文とは何か、仮定法現在とは何か、全部自分で説明できるくらい理解することで、英作文の精度も高くなります。
次に、文法の基礎ができたら、読解において二次で要約が出されなくても、要約問題を解くことです(東大の要約と同じ感じです)。
英語の長文読解は「何が書かれてあったか自分で内容を説明できなければ、読んでなかったのと同じ」です。
漫然と読むのを防ぐために、40字以内、60字以内、80字以内と、いろいろパターンを決めて、自分の言葉で英文の大事な内容を要約する練習をすると、力がつきます。
もちろん、要約に加えて和訳と普通の読解問題も解きます。
そして、文法を2か月ほどで鍛えあげたら英作文は、自由英作、和文英訳、ともに練習していきます。英作は実際に添削してもらうことで何がいけないのかが分かるようになります。
英作と読解で点数が取れるようになると、河合の記述模試では偏差値が概ね65前後はでるようになります。
冬から本番にかけては、英作の比重を高めることもポイントです。
たとえば、島根大学医学部や秋田大学医学部などは、二次試験は英語、数学、面接で、
英語と数学の配点は同じです。
どちらも英語は大問が3つあり、そのうち2つが読解、1つが自由英作です。
つまり自由英作が全体の3分の1を占めていることから、英作の練習をしたかどうかで大きく差がつきます。英作で8割以上取ることができれば、数学で1問危ないところがあっても、スコアを相殺してくれます。
入試英語は、努力すれば確実に点数が取れる箇所、つまりサービス教科のようなところがあるので、準備していけばそれだけ報われます。
数学に関しては、みんなが解ける問題、合否を分ける問題、ほとんど誰も解けない問題、の3種類が出ますが、英語が苦手だと、数学で合否を分ける問題は解けて当然で、ほとんど誰も解けない問題まで正答しなければならず、かなりの緊張を伴います。
英語は読解と英作を中心に鍛えていけば確実に点数がくるので、正しい努力で向き合うことが合格への近道です。
最後に、半年でうまくいった生徒は、入試に間に合わせるべく週2で通ったのも成功の秘訣だったといえます。