新宿で個別少人数制の英語塾LEXISを経営してる齋藤です。
夏期講習といえば、英作文の練習をする上でもってこいです。
夏に練習しておくと、冬になってから焦らなくて済みます。
(冬から始めると、何を書けばいいか全然わからない、共通テスト対策もある・・・という危ない流れになりがちです)
ところで、
自由英作文といえば、つなぎの言葉が大事です。
つなぎの言葉とは、
「それゆえ」を表す、so, thus, therefore, as a result, consequently
「そして」を表す、in addition, besides, and, furthermore
「しかし」を表す、but, however, although, neverthelessなど、
いろいろと思い浮かべると思います。
今回は生徒が多用しがちな、thereforeの危険性について「日本人の英語」と「英語談話標識使い分け辞典」から紹介したいと思います。
まず次の英文を見てください。
I like sports. Therefore I belong to the basketball club.
この英文を日本語にすると、
「私はスポーツが好きだ。それゆえバスケ部にいる」となりますが、
何か違和感を感じられたでしょうか。
もし分かりにくければ、次のような文はどうでしょう。
「私は東京都民だ。それゆえ新宿区民だ」
これははっきりと変だとわかると思います。
おかしな文であるか確認する上で、
対偶という手段で確認することができます。
それは、「Aだ、すなわちBだ」を「Bでない、すなわちAでない」のように確認します。
先ほどの文の対偶を見ると、
「私は新宿区民ではない。それゆえ東京都民でない」となり変な文であることが分かります(世田谷区民でも渋谷区民でも東京都民になる)。
バスケ部の話に戻しましょう。
「私はスポーツが好きだ。それゆえバスケ部にいる」の対偶は、
「私はバスケ部にいない。それゆえスポーツが好きではない」になり、メジャーの大谷選手は?サッカーの本田圭佑選手は?など突っ込みが来そうです。
thereforeは誰が見てもはっきりした論理関係で使います。
すなわち、
I belong to the basketball club. Therefore, I like sports.のようなときでないと変になります(ただ、これもごく普通の話をしたレベルなので厳密にはやや変です)。
「日本人の英語」では、thereforeを使った自然な英文として次のようなものを紹介しています。
That publisher already pays far less than the industry standard per manuscript page, and I therefore find any discussion of further cuts in payment to be totally unacceptable.
(あの出版社の原稿料はすでに原稿1枚あたり業界の水準をかなり下回っている。ゆえに私は、これ以上の原稿料カットの交渉にはまったく応じられないと考える)
これなら論理の流れとして自然です。
ややぎこちない例としては、
Our first attempt met with failure. Therefore, we revised our approach to the problem.
(われわれの最初の試みは失敗に終わった。ゆえにその問題への接近法を変えた)
これだと、「接近法を変えた」が誰が見てもその流れが自然だと言ってる感じになります。失敗に終わったからそこで諦めた、再び試した、しばらく休止したという流れもあっておかしくないはずです。
このレベルであれば、so, consequently, as a resultなどが自然です。
つまり高校生が書く英文では、よほどの強い論理関係がある場合でない限り、thereforeを使うのは控えた方が無難といえるでしょう。
冒頭で紹介した談話標識使い分け辞典では、他にも様々なつなぎ言葉が紹介されていますので、一読してみると参考になると思います。
現在は無料体験授業を実施中です。
お問合せフォームからお申込みください。