英検1級と準1級の学習法の違い
多くの高校生、大学生、そして社会人が関心を持つと思います。
英検1級は単語帳を使って力業で単語を覚えないと大問1で得点しにくいことは有名ですが、今回は意外と見落とされている読解の急所を紹介したいと思います。
それはずばり、
「準1級までは市販の問題集で読解力を鍛えられたが、1級は限界を迎えること」にあります。
英検1級の読解対策の問題集は、本屋に行っても非常に少ないのです。
つまり、1級レベルでは洋書、洋雑誌、英字新聞と、多くの英文に触れていかなくてはなりません。
その際に活躍するのが、世界史の知識です。
EconomistやNewsweek, Foreign Affairs, TIME誌などを読んだとします。
そこにはイランイラク戦争や湾岸戦争など、少し前の現代史が当たり前のように出てきます。
新宿のBooksKinokuniyaで歴史、経済、文化人類学などの本を買うと、古代ギリシャ神話からローマ帝国、そしてイギリスのピューリタン革命から名誉革命まで実に幅広く世界史の話が出てきます。リベラルや保守について論じた政治の本を読むと、フランス革命までさかのぼって分析する話まで出てきます。そして、世界史と全く関係なさそうな本でさえ急に世界史が顔を出すのです。
もしかしたら学習者のなかには、
「CosmopolitanとかVANITY FAIRとかGQなどのファッション誌、文化誌だけで1級を突破するから世界史の知識は不要だ」という意見を持つ人もいるかもしれません。
ただ、それだと出会える語彙の幅が限られてしまうのです。どうしても偏ってしまいます。
英検1級の長文ではリカードの比較優位やフリーメーソンなど堅い話がよく出てくるものなので、歴史の知識をつけておく方が有利です。
では、世界史をどうやって身につけるか。
受験参考書でも十分力なってくれます。
・一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
・ナビゲーター世界史
・世界史の見取り図
・世界史探求授業の実況中継
など、なるべくいろんな本を読んでみると、それぞれ違った角度から説明されてるので参考になります。
1冊だけでは、先ほどのイランイラク戦争や湾岸戦争など、「なぜ起きたのか」が省かれていることがありますが、複数冊読み比べると互いに補完し合ってくれます。
山川の教科書だけでは、ページ数に限りがあるし、教科書という立場上、中立を保たなければならないため、A and B. C and D.と出来事が列挙されてるだけで、なかなか覚えにくいものです。
上に挙げた4種類の参考書ではA because B. C because D.と「なぜ起きたのか」という理由がたくさん書かれています。
著者の先入観も多少あるかもしれませんし、それによって思想のかぶれが出ることもあるかもしれませんが、記憶にはよく残ります。
そして1級に突破したら、新書や学術書など多くの本を読んで、思想的にかぶれていた箇所を補正するように努めましょう。でもまずは記憶に残すこととして、有名な先生方が書いた実況中継本がおすすめです。
英検1級は語彙と文法だけでは不十分です。
読解の背景知識を得るために、世界史の力を借りましょう。
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