スマホ VS 紙辞書
どちらの方がいいか、定期的にSNSで話題になりますが、
スマホによって何を解決できるのか、何が解決されないのか、はっきりさせておくことが大切です。
ここでいう「スマホ」とは、ネット検索やオンライン辞書などのことです(物書堂の辞書アプリは除く)。
スマホの検索は確かに便利ですが、この検索で分かるのは「単語の意味だけ」であることが多いのです。
ChatGPTを使えばいいという意見もありますが、まだまだ説明が甘い感じです。
たとえば、和訳をしていて、
welfareとwell-beingの違いに意識が向いたとします。
welfareとwell-beingはどちらも「幸福」を意味しますが、違いをAIに質問すると以下のような感じで返ってきます。
この説明でしっくりきたでしょうか。
どこか捉えどころのない感じがします。
分かったような、分からないような。
このような微妙な使い分けを出されるよりも、オックスフォードのシソーラスを使うと違いがもっと鮮明になります。以下は物書堂のアプリで調べたものです。
つまるところ、
welfareとは良いか悪いかにかかわらず、幸福度がどの程度の状態かに焦点があり、well-beingは「良い状態の幸福」にしか焦点がないのです。
このように、類義語は、紙辞書や物書堂のアプリでないとすっきりと解決できないものが数多くあります。
今度は、
前置詞の疑問が生じたとします。
He is ( ) the opinion that......
この空所に入るものはofが正解です。
ネットの辞書を調べても
be of the opinion that... 「~という意見だ」と熟語のようにしか紹介されていません。つまり「覚えろ」というスタンスです。
この表現を、齋藤秀三郎の熟語本位英和中辞典や、前置詞大完を引くと、
「形容関係のof」として一覧がでてきます。
of+抽象名詞で形容詞になります。
of great importance = very important
of use = useful
of no use = useless
of value = valuabe
of avail = available
a man of courage = a very courageous man
などなど。
This food smells sweet.と、sweetという形容詞がある場合は形容詞が使われますが、形容詞が存在しないものの場合(garlicなど)、
This food smells of garlic.のようのofの力を借ります。
すると、どうでしょう。
opinionには形容詞がないので、
be of opinion thatで「~という意見だ」になるのです。
グループで紹介されていると覚えやすいものです。
もう一つ見ていきます。
Sales have been ( ) the rise. 「売り上げは伸びてきている」
空所に入るものはonです。
こちらもネット検索をしても
on the riseで「上昇中」とだけ紹介されており、「覚えろ」というスタンスです。
ここでまた齋藤秀三郎の辞書を引くと、
onとは接触のイメージから、状態を表すようになると説明があり、
on the rise =rising
on the fall = falling
on the watch = watching
on the move = moving
on the rush = rushing
on the wane = waning
などと紹介されています。
他にも状態を表すonとして、
on sale「販売されて、特別販売で」
on duty「勤務中で」
on impulse 「突然」
on a sudden 「急に」
on time 「予定通り」
on hire「賃借りして」
こうしてみると覚えやすくなるのではないでしょうか。
最後に、一つ。
the key ( ) success 「成功への鍵」
空所はtoが入ります。
こちらもネット辞書だと例文が出てくるだけですが、
齋藤秀三郎によると、
toは「所有」から「付属」の意味があると出てきます。
ドアを例にとって見てみましょう。
The door has a hole in it.
ドアには穴がある。「中」
The door has a plate on it.
ドアには表札がある。「表面」
The door has a key to it.
ドアには鍵がある。「付属品」
すると、次のようなグループが見えてきます。
There are exceptions to every rule.
すべてのルールには例外という付属品がある。
The is a sad side to this story.
この話には悲しい側面が付属している。
There's a limit to the man's patience.
人の忍耐には制限という付属品がある。
There's no clue to the crime.
その犯罪には手掛かりという付属品がない。
こうして見ていくと、かなり見え方が変わるのではないでしょうか。
調べものをするとき、自分が使ってるツールの長所と短所を意識しているかどうかが重要です。
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