読む分量が圧倒的に増えた共通テストの英語。この試験とどう向き合えばいいか、今回は検証してみたい。
リーディング問題は100点満点で80分。
問題数は49問で、配点は2点もしくは3点。(前半に2点が多くあり、後半になると3点が多くなる)つまり1問に1分ちょっとしか使えない計算になる。
1問せいぜい3点なので、2分経っても答えがみつからない問題は勘でどれかマークして先に進む勇気も必要。
昔のセンター試験は前半に一問2点の問題が多くあり、後半の読解になると1問6点だった。一方の共通テスト英語の配点はほぼ均一と考えていいので解く順番はやはり最初の方がやりやすいので、第1問から解くべきである。
(マークのずれも起きにくい)
後半の方が比較的難しめで前半の方が特に図のある問題は解きやすいので、前半はしっかりと取りたいところ。
ところで、共通テストの英語の特徴はなんといっても、TOEICのPart7に似ていること。メール文はないが、先に選択肢に目を通しておき(特に前半部分の読解ではこれがきく)、問われている箇所を頭の中に入れて英文を読みにいけば時間短縮につながる。
また、TOEICの読解でもそうなのだが、選択肢と本文での「いいかえ」に気を付けたい。選択肢にある表現が本文でずばり同じ言い方で見つかることはほぼなく、うまく言い換えられているのだ。
「言い換えを探しに行く」姿勢が重要である。また、スキャニングで3つのパラグラフをそれぞれ、ざっと確認する処理能力も必要。
そして、このリーディング問題だが、短期間で得点を上げるのは非常に難しい作りになっている。現代文の力、言い換えれば活字力がかなり求められているのである。
ここでいう活字力とは一読して内容を頭に入れ、英文をじっくり解析していかなくてもざっとスキャニングするだけでおおまかな内容を拾っていくことのできる力である。
どうすればこの力がつくのか。ポイントを挙げてみたい。
・英文読解は毎日必ずやること(1日さぼると読む勘が鈍る)
・英文を読むときに別売りCDを使い、ネイティブの音声で内容をつかむ力を養うこと。
・読解の内容は友人とのやり取りから科学の話まで幅広いので、様々な英語長文に触れて背景知識を多く仕入れておくこと。(話の展開で勘が働く)
レベルとしては、有名私大レベル(明治、中央、法政など)の英文を難なく読めるくらいになっていること。早慶レベルまではいかないが(共通テストの選択肢はもっと素直)、それでも英文の長さは早慶に匹敵する。つまり英語が苦手な受験生にとってはかなりの難関になると思われる。センター試験で言えば最後の設問5と設問6だけで構成されている感じである。
共通テストの受験者数が年々減ってきているので、英語や数学などを苦手にしている層が私大受験のみにシフトしてきているのではないかと推測できる。
そして最後に、共通テストを乗り切るためには、単語帳ばかり、文法問題ばかり、というスタイルは避けるべきである。かならず読解をメインにして音読し、CDで音声を使いながら素早く読めるように英文慣れすることである。
満点を取る必要はないので、答えが見つからないときは、思い切ってどれかマークし、とにかく素早く処理していくこと。英文慣れすること、スキャニングできるレベルまで英文読解の練習することである。
そして塾の生徒を見てて思うのだが、共通テスト用の対策、センター試験用の対策をそこまでしなくても、国立二次の対策をメインにして準備すれば、直前期の1か月間でなんとかなるものである。普段の学習は国立二次、もしくは難関私大用にしておくことが一番の対策になるともいえる。
また、時間が非常に大事なので0.3mmのシャープペンシルは使わず、必ず1.3mmのマークシート用のシャープを使うこと。道具も地味だが大切である。