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英語の本質 多言語との比較

「比較」をすることで、物事の本質が見えてくる。例えば東京しか知らない人が、東京の様々な場所を訪問すれば、東京の地理に詳しくなるかもしれない。しかしそれだけではまだ東京の本質をつかめたとは言い難い。

 

修学旅行で京都や奈良に行くことで、東京とは新しい街だったと気づくだろうし、海外にいくことで、いかに東京が治安のいい街だったか知ることができる。東京でランドセルを背負った私立に通う小学生が一人で電車に乗って通学できるのは奇跡に近いことなのだ。

 

それでは英語とは本質的にどんな言語なのだろうか。

今回は英語の親戚ともいえるフランス語やドイツ語と比較して、英語の特殊性を探ってみたい。実は英語は折衷言語と呼ばれ、様々な国の言語から文法、語彙を輸入したことから、ルールが一定しない特殊な言語なのだ。その特殊性が学習者にとってネックになっていることがある。そこを意識すれば、学びやすくなるのだ。

 


・発音について

まず、フランス語とドイツ語は発音に一定の規則がある。ルールを覚えてしまえば、初めて見る知らない単語でも発音の仕方が分かるようになる。

しかし、英語は例外が多すぎて地道に辞書を引きながら発音の仕方を覚えなくてはならない。mineはマインと発音するが、determineやexamineは、ディターミン、エグザミンである。つまり、初期の段階で「発音記号をマスターし、辞書を引いたときに発音の仕方まで確認すること」が重要だ。発音できないものは覚えられないからである。

 

・語順について

英語は語順にとてもうるさい言語だ。

I have eaten sushi.の語順をコロコロ変えることは基本的に無理である。

日本語では「ぼくは、寿司を食べたよ」は

「寿司を食べたよ、ぼくは」

「寿司を、ぼくは食べたよ」

「食べたよ、ぼくは寿司を」

「ぼくは食べたよ、寿司を」

と「てにをは」の力を借りることで語順を変えることができるが、英語ではこれが難しい。英語には「てにをは」がついていないので、これを語順で表現しているのだ。フランス語も格変化に乏しく英語と同じだが、ドイツ語は格変化があるので、語順はある程度自由になる。

 

また、修飾の仕方も重要である。

 

日本語では

「背の高いその少年」

「新宿に住んでいる少年」

と名詞の前に修飾語を置く「前置修飾」がメインだが、

英語では

the tall boyは前置修飾だが、

the boy living in Shinjukuと長いものだと後置修飾になるケースがある。

初学者だと日本語につられてthe living in Shinjuku boyとすることがある。

 

 

・名詞について

西洋の言語は男性名詞、女性名詞(ドイツ語は中性名詞まである)と名詞に性別がついているが、英語ではこれが消失してしまっている。この点は覚えることが少なくて済むのでラッキーといえる。また、複数形にするときは概ねsをつけるだけでいいが、ドイツ語ではひとつひとつ辞書で調べながらenをつけるか、erをつけるか、sをつけるのか、ウムラウトに変えるタイプか、そのままか、などと確認していかなければならない。

 

・語彙について

フランス語では一つの単語が様々な意味を兼ねてるが、これが英語となると、単語をフランス語、ラテン語、ギリシャ語、ドイツ語、オランダ語、北欧語から輸入したせいか、語彙が最も豊かな言語となった。ほかの文明言語の2倍ほどはあると言われている。2倍もあるからには、類義語の使い分けが重要になる。そのような理由もあって、「どうすれば単語を覚えられますか?」と聞かれることが多い。単語学習を早期から始めることが重要なのである。

 

以上から、英語学習者が特に意識すべきことは、

・語彙が多い(単語学習は早い段階から開始すること)

・語順を間違えると伝わらない

・発音記号を覚え、辞書で正しい発音の仕方を確認する習慣をつけること

 

この3点が重要と言える。苦手な人だと大抵この3点で引っかかっているのだ。

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