新宿で個別・少人数制の英語塾LEXISを経営してる齋藤です。
受験指導をしてると、早慶に受かりやすいタイプと、そうでないタイプがいることに気づきます。
早慶に受かりやすいタイプとは、ずばり、
何か一つ得意教科を持っていることです。
確かに指導している生徒を見ていても、高校の頃の知り合いを見ていても、合格しているのは得意教科を持っている人たちでした。
英語はまあまあだけど、世界史は全国で5番以内とか、数学は得意だとか、英語なら負けないとか、何かしら特徴のある人達が合格しています。
たとえば、次のような二種類の生徒がいたとしましょう。
(数字は河合塾の全統記述模試の偏差値だと思ってください)
A君 英語77 日本史45 国語50
B君 英語60 日本史60 国語60
A君とB君、どっちが早慶に合格しやすいかというと、A君です(このタイプは慶應に受かりやすいです)。
英語の成績が極めていいからです。
得意教科を持っていると、他の教科も比較的に伸ばしやすくなり、おまけに英語で偏差値77もあると、他の受験生が解けない問題で差をつけることができます。
A君の日本史の偏差値45に目がいきがちですが、45を65程度にするのは比較的簡単です。
ただ、英語の偏差値77はなかなか叩き出せないのです。
受験は他者との相対評価なので、強みをつくっておくことが勝因になります。
早い段階で英語か数学、どちらかを非常に得意にしておくことが受験で大負けしない秘訣といえるでしょう。
ところで、「記憶力を強くする」で著者の池谷裕二氏がこれについて面白いことを本で書いています。
以下に少し引用してみます。
「(音楽の話です)ドとド♯の区別ができるようになると、ソとソ♯を区別することが簡単になります。細かいことが見えてくると、他の細かいところまで区別できるようになります。つまり、ある事象の理解の仕方を覚えると、ほかの事象に対する理解の仕方までが上達するのです。野球がうまい人はソフトボールの上達も早いですし、英語をマスターした人はフランス語の習得も容易になります。また、ある数学の問題の解放を覚えれば、似たようなパターンの問題にこれを応用することもできます」
「こうしたことから、脳が記憶するときには、記憶の対象となる「事象」を記憶するだけでななく、事象の「理解の仕方」も同時に記憶していることがわかります。「法則性」を見つけ理解することが、記憶において重要なポイントです。ひとつのことを記憶すれば自然と他のことの法則性を見出す能力も身につくというわけです」
「勉強でいえば、ある科目のどこかの部分を十分に理解すると、他の部分も理解しやすくなり記憶が正確になります。そして、ある科目を十分にマスターすると、他の科目の習得も容易になります。どの科目でも優秀な成績をとることができる学業の優れた人は、ひとつの科目すらマスターしていない人から見ると超人的な天才に見えますが、しかし、それは生まれつき頭がよいというよりも、むしろ、いろいろな科目の学習能力が相乗し合った結果なのです。どの科目も均等に勉強し平均的に点数を稼ぐ方法よりも、ひとつの科目を集中して勉強する方が長い目で見れば効率的なのです。まずはひとつでもよいから得意科目を作ることが大切です」
先ほど出したB君の成績、「全教科偏差値60」というのは、一度この沼にはまるとなかなか抜け出せないのです。
偏差値70以上の教科を作り出せず、平均よりちょっといい状態が延々と続くようになります。
決して悪い成績ではありませんが、早慶合格へと突き抜けるにはやや弱いのです。
もう一つ面白いエピソードを出してみたいと思います。
中学では英数国と、どれも100点満点で平均が70点くらいになるように試験が作られていますが、高校に入ると(特に実力試験では)平均が40点くらいになるように作られます。
そのような実力試験で英数国のうち、1科目80点前後とれるような教科があると、他2科目が微妙でも簡単に学年で100番以内に入れます(一学年で300人いたと仮定)。
また、難しい塾のコース分け試験においても、英数国のうち1科目非常に得意な教科を持っている人は他2科目が壊滅的でない限り、3科目合計の成績優秀者でも名前が出てくることに気づきました。
これは、他の人たちがとれない問題で点を取れることを意味します。
特に英語か数学でそのような状態にしておくと、受験では有利に戦えます。
まずは、1科目得意なものを作りましょう。それが早慶などの難関校に合格する秘訣といえます。
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