ここ10年で英語の試験をとりまく環境が少しずつ変化しています。
いくつか生徒を観察してて気づいたポイントを4つ挙げてみたいと思います。
1. 生徒が辞書を買わなくなった
2. 難関校(東大など)における英語が重要になった
(そしてリスニングが難化してきている)
3. 英検が重要になった
4. TOEICなどの試験に変化が訪れている
まずは1.「生徒が辞書を買わなくなった」を見ていきましょう。
いまや生徒で辞書を持ち歩いている人はほぼ見かけなくなりました。
代わりに単語帳として、英検のプラ単、DUO、シス単、速読英単語、鉄壁などを持ち歩いています。20年前は紙の辞書、10年前は電子辞書を持ち歩く生徒はまだいましたが、今では希少種です。
辞書を引かない英語学習をしているとどうなるか。
和訳でas, it, that, ofなど、簡単な単語の用法を引かなくなるようになります。
そうすると生徒の弱点は、英文和訳と英作文になります。
英作文では、「~の経験」と表現したいときにexperience ofとしますが、
experienceの綴りさえ書ければいいと考えて、うしろに同格のthatを使って間違えるなどのミスが多発するようになります。
名詞を引いたときに後ろにthatがくるのか、ofがくるのか、aboutなのか、to doなのか、辞書でないと載っていない重要事項が数多くあります。
たとえば以下の簡単な名詞のうしろにこれるものを瞬時に見破れるでしょうか。
1.「~の方法」 the way ( )
①of ②to do ③that ④about
2.「~のお願い」the request ( )
①of ②to do ③for ④that
3.「~のお問合せ」the inquiry ( )
①of ②to do ③about
正解は、
1.が①と②
2.が②と③と④
3.が③のみです。
英文和訳では例えば、
Shinjuku, as you know, is a big city.
Shinjuku, as you know it, is a big city.
この二つの文の意味の違いを意識せずに、なんとなくで訳す人が増えています。この英文の意味は単語帳では解決できず、辞書を引く必要があります。
(上のasは関係代名詞で、下のasは接続詞です)
語学学習における辞書の重要性は、
弁護士にとっての六法全書、侍にとっての刀、サッカー選手にとってのシューズ、テニス選手にとってのラケットのようなものです。
辞書はいいものを複数冊買い、お金をかけるべき箇所です。
次に2.の難関校で英語が大事になったを見ていきましょう。
最近の東大などの難関校では女子の比率を上げようとしているからか、数学や理科など男が得意とする教科は非常に難しくなり、英語で点数を稼げないとボーダーに乗らないような仕組みになってきています。
実際に東大のリスニングを聴くと、10年前と比べて使われている語彙、話されているスピードなどは確実にアップしています。
おそらく小学校からの英語教育で「力を付けた人たち」が受けるからだと思います。英語が嫌いになってドロップアウトした人たちがはそもそも東大を受けることはないかもしれません。
3.の英検が重要になったも大きな変化です。
塾で体験授業を開くと、必ず英検対策に関する質問が出てきます。これも10年前にはなかった流れです。英検を取っておくと立教大学で有利になったり、早稲田の英検利用入試で使えたり、医学部の二次面接では評価の対象になったりと、何かと有利に働く流れが出来ています。実際に大学受験で準1級を持っていると有利になると感じます。
また、学校によってはGTECを使って成績を付けるところもあります。GTECはライティングとスピーキングで最後の問題の難易度が高めです。この辺りは英検2級から準1級レベルの対策をすることで、それなりに対応できます。
最後に4.のここ最近のTOEICで起きてる変化です。
TOEICは就職活動、大学院の入試、出世などで役立つ場面が数多くあります。
するとTOEICが力を持ちすぎてしまう弊害からか、中国人グループが直径わずか3mmのスピーカーを耳の穴に入れて通信でカンニングをしていたという事件が発生しました。不自然に900点台のスコアを連発している集団が発生していたようです。
これも10年前には聞かなかったニュースです。
以上をまとめると、英語の重要性が相対的に増してきているといえます。
良し悪しは別として、大学でも第二外国語を担当する講師が英語を任されたなんて話もあるくらいです。
この10年で英語の重要性が高まってきているのは確かなので、中学でも高校でも1年生のうちから着実に準備を進めることが重要です。その準備が進路を分けるといっても過言ではないくらいです。
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