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なぜ大学入試で英語の配点は高いのか?

入試で英語の配点は高い。有名大学の文系学部では特にそれが顕著である。慶應大学では英語の配点が全体の半分を占める学部があるし、なんなら英語と小論文だけのところもある。一橋大学も英語の配点が高いし、東大でもやはり重要な教科だ。早稲田しかり、上智しかり。

 

これが他教科となると、数学だけで入れる大学は東工大や慶應SFCなどごく一部にあるが、日本史と小論だけで入れますという大学は見ない。

傾斜配点において、英語200点、日本史100点はあっても、日本史200点、英語100点はまずない。

 

なぜだろうか。


この疑問を解決するうえで、英語教育大論争が参考になる。かつて大学入試から英語をなくしてしまおうと提案した国会議員がいた。その名は平泉渉。

 

なぜ彼は英語を取っ払ってしまおうと考えたのか。その理由は、十代の生徒が膨大な時間を費やすわりに、全然英語を話せるようになっていないからとのこと。実務面から見て疑問であるし、国が税金をそこまで英語教育に投入することに意味はあるのかと問いかけたのだ。英語は一部の人間だけが使いこなせればいい。使える人間には「技能士」の資格を与えると。

 

これに大反発したのが上智大学の渡部昇一だった。英語は社会に出て必要性を感じてから学ぶのでは遅すぎる。そもそも日本語とかけ離れた言語を学ぶことは頭脳訓練に最適であるので学科として大事であると。

 

そして、ここからが重要なのだが、

「語学は修学適正度を測るのに抜群にいい教科」なのだ。

英語を使わないとなると、何を重視したスタイルになるのだろうか。数学だと当たりはずれが大きいし、学部によっては全然使わない。古典となると理系の学部や、文系では経済学部、商学部、法学部に進学する者にはややずれてる。地歴ではヤマを張ることができる(たとえば室町時代は捨てるなど)。しかしこれが英語となるとヤマを張ることができないし(関係代名詞は捨てるとかできない)、一夜漬けも不可能だ。そして丸暗記も通用しない。地道に努力したかどうかが現れるのだ。

 

自分自身もいろんな生徒を教えてきたが、概ね英語の成績と入学できる大学のランクは比例してる。語学はしっかり努力してきたかどうかが如実に出る。ごまかせないのである。もちろん実用面においても、ネットで英語で情報収集する時代になったし、英語で論文を発表しなければならない人もいる。医学の世界でも経済の世界でも、日本語で情報が発表されるのを待っていては遅いのだ。

 

英語は実用面においても、修学適正度を測る面においても、大事な教科なのだ。有名大学が英語を重視するにはそのような背景があるのである。

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